リフレイン
――そして、その日も無事に1日が終わり、あたしは戸田さんの車で自宅まで送ってもらい、荷物をまとめると再び外に出た。
「戸田さん、お待たせ〜」
「おう」
あたしはキャリーを引きながら戸田さんに駆け寄る。
「荷物貸して?」
戸田さんはあたしのキャリーを見ると手を差し伸べる。
「あ、ありがと♪」
あたしは戸田さんにキャリーを渡す。
「先乗ってて」
戸田さんはあたしに告げると、トランクに向かった。
そして車の助手席に乗り込むと、シートベルトを締めた。
戸田さんもすぐに運転席に来た。
「よしっ。行くか……先は…倉橋の家だな」
「あっ、うん!!」
戸田さんは“了解'と呟くと、車を走らせた。
「あ、そういえば戸田さん、瑠樹也の家分かるの?」
あたしは運転している戸田さんに問い掛ける。