リフレイン
「ありがとうございます。勇気出ましたよ」
瑠樹也は笑顔を見せた。
「――さ、そろそろ行くか。水樹」
「あ、うんっ」
あたしは戸田さんが立ち上がったのを見て、自分も立ち上がった。
「今日はサンキューな、倉橋。」
「いえ、またいつでも遊びに来てください」
瑠樹也は玄関まで見送りに来た。
そして瑠樹也の部屋を出た。
エレベーターに乗り込み、一階のエントランスに着いた。
「あ〜さみぃなー」
戸田さんはコートを両手で握り締める。
「だよねっ!!明日、手がかじかんで銃使えなくなったらどうしよ(笑)」
「水樹に限ってそれはないだろ(笑)」
戸田さんが車の鍵のロックを解除し、2人で乗り込む。
「部屋行ったら……水樹が欲しい」
耳元で囁かれて、体がビクッと反応する。
「で、でも明日から任務だし……」
「だから?」
「だからって……」
あたしは、そんな戸田さんに困ってしまい、顔を伏せた。
「――水樹」
名前を呼ばれて彼を見る。