リフレイン
そしてその日、あっという間に夕食の時間になった。
「水樹〜ご飯行こー!!」
「うんっ」
あたし達はロックを掛けると部屋を出た。
――夕食会場。
香港にいる間食事は必ずメンバー全員揃って食べることになっている。
いつ、何が起こるか分からないからだ。
あたしは夕食の炒飯を頬張る。
隣には美姫や戸田さんに桐島ちゃん。
前の席にはハルカや瑠樹也、司令官がいる。
「明日は潜入捜査がある。みんな今日は早めに寝るように」
司令官は食べ終わった夕食の皿を重ねて、夕食会場を出ていった。
「なーんかさっ!!司令官、いつもの余裕無くない?」
美姫が小声で話す。
「えっ!?余裕?」
あたしは聞き返す。
「そう、余裕!!あの人ならいつも“楽勝だ!!'みたいな顔してるじゃない?なのに今はその顔が少し崩れてる。初めて見たわよ、あんなに余裕の無い司令官!!」
美姫はお茶を飲み干した。