リフレイン
中へ入ると、ざっと200名ほどの人間がいた。
さて…
この中からどうやって九条を見つけ出すかな……。
あたしはゆっくり回りを見回すようにしながら歩いた。その時。
『二宮先輩、聞こえますか?瑠樹也です』
片耳に付けてある小型マイクから瑠樹也の声がした。
「はい、水樹。どした?」
あたしは回りに聞こえない様に小さな声で話す。
『九条は全身白のスーツに白のネクタイを着ているようです。情報によるとその格好をしているのは九条だけらしいです』
ふ〜ん…
ラッキーな情報じゃん。
「りょーかい。ありがとね♪」
そしてあたしは再び辺りを見回した。
「……………」
白のスーツにネクタイ…
白のスーツにネク……あっ!!
ふと目をやった先に、お目当ての人物がいた。
白のスーツにネクタイで回りに大勢の女の群れを作っている人物。
――九条だ。
あたしはゆっくり足を進めた。