リフレイン
「あの…ちょっといいかしら?」
あたしは九条に声を掛けた。
「おぉ、なんだ?」
あたしの頭から爪先まで舐め回すように見ると九条は笑顔を向けた。
ふ〜ん…
コイツが九条か……。
歳の割には中々の色男なんだ…
ま、戸田さんのほうが断然いい男だけど。(笑)
「あなたとお話がしたかったんだけど…沢山回りに人がいて近づけなかったのよ。少しお話出来るかしら?」
あたしは上目遣いで九条を見る。
九条は顔を赤くしながら頭を掻いた。
「あ、あぁ。全然いいとも!!君の様な美人さんに話し掛けてもらえるなんて光栄だよ」
「あら、そんな……。」
はぁ?
マジキモッ!!
誰があんたなんかに気があるかっての!!
あくまで仕事だよ、し・ご・と!!
あたしは心の中で九条を嘲笑った。
「ねぇ、私あなたと2人きりでお話がしたいの。ちょっと外に出れないかしら?」
あたしは九条のネクタイに触れた。
「もちろんいいとも。さ、外に出ようか」
「えぇ」
あたしは九条の後ろについていく。
――やった。
コイツさえ抑えられればこっちのもんよ。
あたしは誰にも気付かれないようにニヤリと笑った。
あんたも終わりね。
九条。