リフレイン

あたしは九条と一緒に外に出た。


さ、始めますか。



「……九条さん…ですよね?」



あたしは彼に背を向け、質問をした。



「……なぜ名前を…」



「ふっ、知ってるに決まってんでしょ。あんた程の悪の顔が回りにいるバレてないとでも言いたいワケ?」



「……何者だ、お前は」



さっきまで陽気だった九条の表情が曇った。



やっと本性出したか。



あたしは回りをチラッと見る。



みんながそれぞれ逮捕の準備に入っている。



『水樹!!そのまま平行線に話を進めて!!』



小型マイクから美姫の声が聞こえた。



返事は出来ないけど…
了解してる。



「別にあたしはフツーの日本の警察だよ。あんたを潰す為にやって来たの」



あたしは鞄から警察手帳を取り出し、九条に見せつけた。



「……やはりサツか」



九条はチッと舌打ちをすると、あたしを睨み付けた。



「……ねぇ、そろそろ観念したら?囲まれてることくらいバカじゃないんだから分かってんでしょ?」



あたしはゆっくり九条に近付く。


「さっさと逮捕されて罪償ったら?後々めんどくさいよ?」



あたしはクスッと笑った。



さっさと観念しろっての。



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