リフレイン

さっき2度も殴られたからかな…痛みが消えてくれない。



あたしは和らいできた痛みにちょっとずつ体を起こした。



――すると。



「ちょっと失礼」



「えっ」



気付いた時にはあたしの体はふわっと宙に浮き、男にお姫様だっこされていた。



「ちょっ!!離してよ!!」



あたしは咄嗟に抵抗した。



「暴れんなよ。また痛むぞ?」



男はあたしの抵抗を軽々と阻止した。



またズキズキと痛み始めるお腹。あたしは抵抗する力も無くし、仕方なく男に体を任せた。



「大丈夫か?」



そう問い掛けてくる男にあたしは小さく頷く。



そしてあたしをベッドに寝かせると、“ちょっと待ってろ'と言い残し部屋を出ていった。



「ふぅ〜……。」



あたしは布団を被りながら、ベッドに体を預ける。



あー痛い…
マジ最悪だよ、九条のヤツ……。


あたしは溜め息を吐いた。



女相手なんだから、ちょっとくらい加減してくれてもいいじゃんか……。



あたしは心底そう思った。



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