リフレイン
「よし、着いたぞ。」
戸田さんは、あたしのマンションの前に車を止めた。
「うん、ありがとね!!戸田さん♪」
あたしはニコッと笑顔を向けると、車から出ようとした。
――すると。
「わっ!!」
いきなり腕を引っ張られて戸田さんの胸に倒れ込む。
と、戸田さん!?
あたしは驚きを隠せずに、動揺していた。
「あ、あの〜…戸田さん…?」
戸田さんはあたしを抱き締めたまま、離そうとしない。
「………………」
「どうしたの…?」
あたしは小さく呟いた。
「……ごめん…なんか急に水樹の温もりが欲しくなった」
「へっ!?ぬ、温もり…?」
「うん」
あたしは頭の中がハテナマークだった。
ていうか恥ずかしい!!
あたしは恥ずかしさを隠す為に、戸田さんの胸に顔を埋めた。
「……ごめん水樹。もう少し…こうさせて」
戸田さんは抱き締めながら、あたしの髪を優しく撫でた。
「うん…あたしもこうしてたい」
あたしは無意識のうちに戸田さんの背中に腕を回していた。
優しく髪をすく戸田さんの仕草。
その柔らかい感触に凄く安心した。