リフレイン
「みんなはどう?変わりない?」
あたしはグラスに口を付けた。
「あぁ、変わりないよ。みんな相変わらず元気。(笑)」
戸田さんは長い足を組みながら言う。
「そっかぁ…あたしも早く戻りたいなぁ。みんなと一緒に仕事したいっ!!」
あたしは体をうずうずさせた。
「気持ちは分かるけど、今はちゃんと怪我を治すことに専念しろよ?今治しておかないと後から大変だからな」
戸田さんはポン、とあたしの頭に手を置いた。
「はーい♪分かってます♪」
あたしは敬礼の真似をした。
――と、その時あたしは戸田さんの腕に目が止まった。
「ねぇ戸田さん…その腕どうしたの?」
「――…あぁ…」
戸田さんは咄嗟にあたしが目を付けた右手を隠した。
戸田さんの服の隙間から、包帯が見えたのだ。
「なにか事件あったんでしょ?」
あたしは戸田さんを問い詰めた。
「いや、ちょっと署の近くの繁華街で喧嘩が起きてさ。止めに入った時にナイフが掠ったんだ」
戸田さんは苦笑いを溢す。
「そうなんだ…大丈夫?痛くない?」
あたしは戸田さんの服の袖を掴んだ。
「あぁ、もう大丈夫だよ。ほとんど治ってる」
戸田さんは優しく言うと、あたしを抱き寄せた。
そしていつも以上に甘い甘いキスを交わした――…