リフレイン

それからは、記憶がほぼ曖昧。



事件は無かった。



無くて良かった。



もしあったら、あたしきっと大変なことになってたに違いない。



ふらつく足取りで着いた場所は…


射撃訓練場。



そっか…
今仕事中だっけ?



あたしはフラフラと訓練場に入った。



「――あれ?水樹じゃん。美姫は?」



桐島ちゃんがあたしに声を掛ける。



だけど、それに答える気にもならない。



桐島ちゃんの問い掛けを無視し、位置に着く。



桐島ちゃんはあたしを不思議そうな目で見ていた。



そりゃそうだよね。



いつもウザイくらい、うるさいあたしがこんなに静かだったらさ。


「水樹」



訓練を始めようとしたら、桐島ちゃんがあたしの元へやって来た。


「ちょっと一緒に来いよ。そんな状態で訓練されても困る」



桐島ちゃんは鋭い目付きであたしを見るとあたしの腕を掴み、外へ出た。



< 247 / 324 >

この作品をシェア

pagetop