リフレイン
――ガコンッ
音を立てて、桐島ちゃんが買ったアクエリアスが落ちてきた。
「言った…よ。美姫に“知っててほしくて'とか言われたからちょっと頭にきて言い返した。でも…やっぱり戸田さんを諦める気はないみたい。」
「……そうか」
桐島ちゃんはそう呟くと、アクエリアスを一口飲んだ。
「とにかく水樹はいつも通りの水樹はでいろよ?お前が躊躇すればするほど相手だってつけあがるんだからな」
ポン、と頭に手を乗せられて、あたしは頷いた。
やっぱり桐島ちゃんに話して良かったな。
なんか凄くスッキリした。
「俺は話聞いてやるだけしか出来ねーけど…いつでもお前の味方だからな。俺は汚いやり方は嫌いだ」
桐島ちゃんは優しく微笑んだ。
「うんっ!!ありがと桐島ちゃん!!めっちゃ元気出たよ♪♪」
あたしは桐島ちゃんに満面の笑みを向けた。
「――ねぇ桐島ちゃんは?彼女出来たの?」
なーんて単刀直入に聞いてみる。
「いや…出来ねぇよ。作る気もないしな」
桐島ちゃんは飲み干したアクエリアスをゴミ箱に捨てた。
桐島ちゃん…
やっぱり恋愛はしないのかな?
「これからも?絶対に?」
「はは、どうしたんだよ水樹。いきなり」
桐島ちゃんは苦笑いを溢した。
「だってさ…桐島ちゃん、カッコいいし性格も良いのに勿体ないな〜って思ってさ。」
「褒めても何も出ねぇよ?(笑)」
桐島ちゃんはケラケラと笑いながら言った。
いつか桐島ちゃんにも…
いい人が現れるといいな。
あたしは心からそう思った。