リフレイン

｢あ、あのさ!!そーいえば…｣



｢ごめんな、水樹。｣



いきなり戸田さんに謝られて、あたしはキョトンとしてしまった。


｢へ？｣



｢いや、櫻井さんのこと。俺のせいで櫻井さんと気まずいだろ？｣


戸田さんは凄く申し訳なさそうに横目であたしを見た。



まぁ確かに…
美姫とは今、かなーり気まずい状況だけどさ。



｢戸田さんのせいじゃないよ!!気にしないで♪あたしがなんとかするしっ!!｣



あたしは戸田さんに微笑みかけた。



｢ごめんな｣



再び謝ってきた戸田さんにあたしは背中を軽く叩いた。



｢美姫とは昔からの仲だし、これらいのことどうってことないよ!!｣



確かにささいな喧嘩は今までもあった。



けど…
今回は今までとは違う。



まさか、戸田さん絡みになるなんてな…。



どう解決していいのか分からないかもしれない。



｢美姫は物分かりのいいやつだから、きっと分かってくれるよ!!｣


あたしは無理矢理笑う。



そう自分に言い聞かせていないと壊れてしまいそうだったから。



必死に保っていた“あたし自身'が。