リフレイン
「こちらメニューになります。お決まりになりましたらお呼び下さい。」
店員は上品な口調で言うと、戻っていった。
「水樹、何にする?」
戸田さんはメニューに目を通しながら問い掛けてくる。
あたしは急いでメニューを見た。
……ん…?
ナニコレ。
フレンチ…だよね?
なんか色々あってめちゃくちゃ迷うんですけど…
しかもめっちゃ高いし!!
「水樹?」
メニューを見て、顔面蒼白になっているあたしに心配そうに問い掛ける戸田さん。
「あっ、いや!!なんもないよ!!どれにしよっかな〜」
あたしは気を紛らわす為にメニューを見た。
ん〜…
あ!!
これ美味しそう!!
チキンとトマトのバジルパスタ!!
これなら、そんなに高くないし…いいかな♪
「水樹、金の心配ならしなくていいから。」
「はへ?」
なんとも間抜けな声を出してしまったあたし。
「絶対メニュー見て、金の心配してただろ?モロバレだし(笑)」
戸田さんは楽しそうに微笑む。
「普通におごるし。前にも言ったろ?年下の彼女に金払わせるわけねーだろって。」
「ぅ…まぁそうだった……けど…」
「とにかく水樹は金の心配なんかしなくていい。全部俺に任せておけ、な?」
戸田さんはあたしに言い聞かせるように言った。
そ…そんなこと言われたら、了解しないわけには行かないじゃんか…。
「わ、分かった…」
あたしは渋々了解した。