リフレイン
戸田さんはあたしの頼む物を聞くと、ウェイターを呼び注文した。
店員の女が若干、戸田さんに見とれていたのは…置いといて。(笑)
「水樹はさ、なんでこの仕事目指そうと思ったん?」
「え?仕事?」
「あぁ」
あたしが特殊部隊を目指した理由…か。
それはやっぱ、あれしかないでしょ。
「たくさんの人達を救いたいって思ったからかな」
「たくさんの人達を?」
「うん!!」
あたしは戸田さんに微笑みかけた。
「ほら、日本て意外に物騒じゃん?立て籠り事件とか強盗とか…そんな奴等を野放しになんて出来ないし、したくもないから。あ、それにあたし兄ちゃんが2人とも警察だからさ!!その影響もあるのかも」
「あ、そうなんだ。何の役職?」
「上の兄ちゃんがニューヨーク市警の特殊部隊で下の兄ちゃんが警視庁のSPだよ」
「ニューヨーク市警に警視庁!?すげぇな…お2人共いくつ?」
「えっとね、上が27で下が25だよ!!ちなみに春樹と夏樹って言うんだ。」
「へぇ〜…春樹さんが上のお兄さんで夏樹さんが下のお兄さん?」
「うんっ」
戸田さんは成る程ってカンジの顔をした。
「すげぇな。ニューヨーク市警の特殊部隊と警視庁のSPなんて。まだお若いのに」
「春兄は昔から真面目だったからね〜。よくあたしの面倒見てくれてたんだ。夏兄はやんちゃだったな(笑)」
あたしはテーブルに置かれた水を一口飲んだ。