リフレイン

しばらくして食事を終え、あたし達は夜の街を一緒に歩いた。



もちろん、戸田さんと手を繋いで。



「あたし超幸せかも〜」



あたしは戸田さんの肩に頭を寄せながら呟く。



「“幸せかも'じゃなくて“幸せ'だろ?」



戸田さんは優しく微笑んだ。



「そうだったね♪あたし、超幸せ!!」



あたしは手を強く握った。



――そして最後に来たのは、綺麗な夜景が見える海岸。



ここ…よく雑誌とかにも乗ってるよね…!!



「キレ〜……。」



夜景っていくら見ても見飽きないな。



「あ、あのさ。ちょっと水樹に渡したい物があるんだ」



戸田さんはそう言うと、テーラージャケットのポケットから小さな箱を取り出した。



「え…これって……」



「水樹」



戸田さんはあたしを真っ直ぐに見構えた。



< 261 / 324 >

この作品をシェア

pagetop