リフレイン

「あ、あの…」



「はい?」



振り返ると、そこには鞄をひったくられた女の人がいた。



「はい、これで大丈夫ですか?」



あたしは鞄を彼女に渡した。



「あ、ありがとうございました!!とても助かりました…」



「いいえ。今度から気を付けて下さいね♪」



「はい。ありがとうございました!!」



彼女はペコッと頭を下げ、去っていった。



「さ、署まで連れていこ!!」



「ったく…しょうがねぇなぁお前は…」



桐島ちゃんは困ったように顔を歪めながらあたしを見た。



――警察署、特殊部隊オフィス。


「二宮、桐島ただいま戻りました」


桐島ちゃんがオフィスにいた司令官に報告をする。



「ごくろうさん。桐島、水樹は何かやらかさなかったか?」



はぁっ!?
なんなのコイツ!!
マジムカつく!!



「特には…。いつも通り見事な腕前でしたよ。(笑)」



桐島ちゃんは言いながら薄笑いを浮かべている。



ちょっと桐島ちゃん!!
そんな顔したら司令官に勘づかれちゃうじゃんかっ!!



「きっ…桐島ちゃんの言う通りだからっ!!」



あたしはフンってカンジでイバって見せた。



「まぁお前が何かをやらかさないわけがないことくらい分かってるが…あまり勝手な行動はするなよ。分かったか?水樹」



司令官はあたしを見る。



フンだっ!!
何だよ!!偉そうに…



「はぁ〜い…」



あたしは超無愛想に返事をした。


やっぱり司令官嫌いっ!!
最悪!!



あたしは心底、司令官を嫌っていた。



< 265 / 324 >

この作品をシェア

pagetop