リフレイン
「うーん…それは水樹が決めることなんじゃないかしら。」
「あたしが…決めること?」
「えぇ。あたしだって水樹がSPに行っちゃうのは寂しいわよ?優輝や戸田さんだってもちろんそう。でも…あたしは水樹が前からSPに興味を持ってたことも知ってたし、水樹にとっては今回のその話は良いチャンスなんじゃないかって思う。水樹はいつも言ってたでしょう?“沢山の人達を救いたい'って。あたしは…その話、受けた方がいいような気がするわ。今の水樹なら十分にやっていける」
美姫はそう言うと、優しく微笑んだ。
「美姫……」
あたしは涙でいっぱいになった瞳で美姫を見た。
「ったく…泣いてんじゃないわよ!!別に永遠の別れなワケじゃないんだから!!SPだって警察だもの。部署が違うだけなんだから、いくらでもあたし達と繋がってるでしょーが!!」
「うぅ〜…だってぇ〜!!」
あたしは美姫の胸で泣いた。
美姫があまりにも優しいから…
ついつい泣けてきちゃって。
カッコ悪いなぁ、あたし。
「あ、それと。あたしからも話。」
美姫が思い出したように言った。
「あっ、うん!!何の話?」
美姫からも話があるんだよね。
なんだろ…。
「優輝から…何も聞いてない?」
「桐島ちゃん?何も聞いてないけど…」
え?
てかなんで桐島ちゃん?
あたしは美姫の質問に頭の中が?マークだった。
「そう、水樹に話してなかったのね」
美姫は肩につくか、つかないかくらいの茶色いショートヘアをかきあげ、再び頬杖をついた。
その横顔があまりに綺麗で、
女のあたしから見ても凄く色っぽかった。