リフレイン

「まぁ、あたしも頑張るから水樹も頑張りなさいよ。SPのことも」


「うん…頑張るよ」



あたしはカクテルを一口飲んだ。



「ていうか…戸田さんにはまだ言ってないのよね…?SPのこと…」



美姫は心配そうな表情を浮かべた。



「うん…まだ言ってないんだ。美姫に相談してから…言おうと思ってたから…」



「そう…でもちゃんと言ったほうが良いわよ?てか絶対言わなきゃでしょ。彼氏なんだから」



「うん、それなんだけどね…戸田さんに……あたしに23歳の誕生日が来たら結婚しようって言われたの。」



「えっ!?じゃあもう、結婚するの?」



「うん…たぶん、そうなると思う。でもさ…SPのこと話さなきゃだもん、結婚前に」



「……まぁそうよね」



「それに…子供産むってなった時とか、これからどうするのかなって。あたし、仕事辞めなきゃじゃん…」



あたしはシュン、と俯いた。



今の仕事は好き。



でも戸田さんと結婚はしたい。
子供も欲しい。



けど…



まだ早いのかな?



「まぁ仕事と恋愛、どちらを取るか、みたいなもんよね。でも戸田さんも分かってくれるんじゃない?あんたが極度の職業病だってことも(笑)」



美姫はクスッと笑った。



「しょっ、職業病とは違うでしょ!!あたしは単に…」



「あーはいはい、分かりました〜あんたの言いたいことは分かったわ。」



美姫は銃を向けられたように両手を挙げた。



「まだ22だものね。仕事をしたいって気持ちもあるわよね。それはあたしも分かるわ」



美姫はグラスを飲み干した。



「とにかく戸田さんと話し合いなさいよ。あたしが言えることは“自分自身で決める'ただそれだけね。優輝に言っても同じこと返されると思うわよ?」



美姫は長い足を組んだ。



そう…だよね…。



とにかく戸田さんと話をしなきゃ。





< 298 / 324 >

この作品をシェア

pagetop