リフレイン
「まぁ、あたしも頑張るから水樹も頑張りなさいよ。SPのことも」
「うん…頑張るよ」
あたしはカクテルを一口飲んだ。
「ていうか…戸田さんにはまだ言ってないのよね…?SPのこと…」
美姫は心配そうな表情を浮かべた。
「うん…まだ言ってないんだ。美姫に相談してから…言おうと思ってたから…」
「そう…でもちゃんと言ったほうが良いわよ?てか絶対言わなきゃでしょ。彼氏なんだから」
「うん、それなんだけどね…戸田さんに……あたしに23歳の誕生日が来たら結婚しようって言われたの。」
「えっ!?じゃあもう、結婚するの?」
「うん…たぶん、そうなると思う。でもさ…SPのこと話さなきゃだもん、結婚前に」
「……まぁそうよね」
「それに…子供産むってなった時とか、これからどうするのかなって。あたし、仕事辞めなきゃじゃん…」
あたしはシュン、と俯いた。
今の仕事は好き。
でも戸田さんと結婚はしたい。
子供も欲しい。
けど…
まだ早いのかな?
「まぁ仕事と恋愛、どちらを取るか、みたいなもんよね。でも戸田さんも分かってくれるんじゃない?あんたが極度の職業病だってことも(笑)」
美姫はクスッと笑った。
「しょっ、職業病とは違うでしょ!!あたしは単に…」
「あーはいはい、分かりました〜あんたの言いたいことは分かったわ。」
美姫は銃を向けられたように両手を挙げた。
「まだ22だものね。仕事をしたいって気持ちもあるわよね。それはあたしも分かるわ」
美姫はグラスを飲み干した。
「とにかく戸田さんと話し合いなさいよ。あたしが言えることは“自分自身で決める'ただそれだけね。優輝に言っても同じこと返されると思うわよ?」
美姫は長い足を組んだ。
そう…だよね…。
とにかく戸田さんと話をしなきゃ。