リフレイン

「――お、戸田か。もう大丈夫なのか?」



司令官が奥から出てきた。



「はい。ご心配お掛けして申し訳ありませんでした。」



戸田さんは司令官に頭を下げた。


「うむ、無理しない程度に頑張れよ。それと水樹…今日……」



司令官は戸田さんから、あたしに視線を移した。



「はーい。分かってるよ!!奥で話そーよ♪」



あたしは前に出た。



「あぁ。じゃあ各自仕事に戻ってくれ」



「「はい」」



みんなは一斉に返事をすると、トレーニングに行くのかオフィスを出ていった。



そしてあたしと司令官は奥の部屋に入った。



司令官は部屋に入ると、あたしにソファに座るように促した。



「……じゃあ…例の件について、答えを聞かせてもらえるか?」



司令官はいつも以上に真剣な瞳であたしを見る。



「……うん。もう決まってるよ」



あたしは、真面目な表情を心掛けた。



「……あたし…SPになる。SPになってもっともっと、強くなりたい」



これが、悩んだ結果あたしが出した答えだった。



確かに仲間と離れるのは寂しい。


でも…



それ以上にもっと成長したい、と思うあたしがいた。



「そうか…分かった。あちらにはそう伝えておこう。」



司令官の言葉にあたしは頷く。



「――…あぁ、それと…」



「ん?何?」



司令官が何かを言い掛けた。



「決して楽ではないぞ」



「えっ?」



「SPは激務だ。半端な仕事じゃない。いつ命を狙われてもおかしくない。」




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