リフレイン

「あっ、な、何!?」



あたしはアタフタとしながら戸田さんに問い掛けた。



うわーっ!!
バカじゃん、あたし!!



超まぎらわしいよ!!



「…なんか隠してないか?」



「へっ?」



戸田さんはスッとあたしの隣に座った。



「……水樹。話すことあるんなら話して。黙ってられても困る」



真っ直ぐに見つめられて、思わず息を呑む。



「……っ…戸田さん…」



あたしはその瞳から目が離せなかった。



「……あの…ね…」



「うん…」



「あたし…来月から……SPになるんだ…」



「……SP…に?」



「……うん…」



あたしはギュッと手を握った。



「……いつ決まってたんだ?」



戸田さんは至って冷静に問いただす。



「……ちょっと前から…SPにならないかって話はもらってたんだけど…決めたのは最近…かな」



あたしは恐る恐る戸田さんを見た。



「……部署移動ってこと?」



「……そう…なるかな…」



あたしは呟いた。



……戸田さん、怒ってる…かな?


「……おめでとう、水樹」



――えっ?



あたしは思いがけない言葉に目を丸くした。



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