リフレイン
「前からSPには興味あるって言ってたもんな。良かったじゃん」
「でっ…でもっ……!!」
「……でも?」
あたしは言葉を詰まらせた。
「……でも…特殊部隊を抜けるのは…すごく辛い」
これは
偽りのない本音だから。
「特殊部隊はっ…あたしが初めて一緒に戦った大事な仲間がいる場所でもあるし……戸田さんと…出会えた場所でもある。」
「………………」
「ごめんねっ…いきなりSPになんて首突っ込んで…でもあたしは…っ」
言っている途中でいきなり戸田さんに抱き締められた。
「……と…ださ…ん?」
「……正直」
戸田さんはボソリと呟いた。
「正直…何でだ?って思ったよ。特殊部隊にいればいいじゃねぇかって…思った。……でも」
戸田さんは抱き締める腕の力を強めた。
「それは、ただの俺のワガママにしかすぎない。水樹は水樹で考えがあるんだし、俺がいちいちそれを奪う権利もない。」
「……………」
「……だから…」
戸田さんはあたしの頭をあやすように撫でる。
「――…頑張れよ、水樹。」
その言葉に、涙が溢れた。
“頑張れ'
戸田さんが言うこの一言で、あたしは凄く勇気付けられた。
――大丈夫。
あたし、頑張れる。
絶対
立派なSPになってみせる。