リフレイン

「前からSPには興味あるって言ってたもんな。良かったじゃん」



「でっ…でもっ……!!」



「……でも?」



あたしは言葉を詰まらせた。



「……でも…特殊部隊を抜けるのは…すごく辛い」



これは
偽りのない本音だから。



「特殊部隊はっ…あたしが初めて一緒に戦った大事な仲間がいる場所でもあるし……戸田さんと…出会えた場所でもある。」



「………………」



「ごめんねっ…いきなりSPになんて首突っ込んで…でもあたしは…っ」



言っている途中でいきなり戸田さんに抱き締められた。



「……と…ださ…ん?」



「……正直」



戸田さんはボソリと呟いた。



「正直…何でだ?って思ったよ。特殊部隊にいればいいじゃねぇかって…思った。……でも」



戸田さんは抱き締める腕の力を強めた。



「それは、ただの俺のワガママにしかすぎない。水樹は水樹で考えがあるんだし、俺がいちいちそれを奪う権利もない。」



「……………」



「……だから…」



戸田さんはあたしの頭をあやすように撫でる。



「――…頑張れよ、水樹。」



その言葉に、涙が溢れた。



“頑張れ'



戸田さんが言うこの一言で、あたしは凄く勇気付けられた。



――大丈夫。




あたし、頑張れる。









絶対










立派なSPになってみせる。







< 313 / 324 >

この作品をシェア

pagetop