リフレイン
「…わりぃ…もう抑えらんねぇわ」
「えっ…」
戸田さんのスーツからほのかに香る香水の匂いに凄く気持ちが落ち着いた。
「――…」
その瞬間、彼の唇とあたしの唇が重なった。
10秒くらい…かな?
「……君が好きだ、二宮さん…いや、……水樹。」
「えっ」
………あたしを…好き…?
戸田さんが?
「戸田さ…」
「初めて会った時からずっと見てた……君が初めてだったんだ。こんなに俺の中に入って来た子は」
戸田さんはあたしが知らない男の顔をしていた。
「……でも…あたし…」
あたしは再び俯いた。
「……何?」
「……実は…司令官にも告白されてて…」
「……司令官に?」
戸田さんは少し苛立ちを込めたような声を出した。