リフレイン
「えっ…引かないの!?だって22にもなって処女とかありえなくない!?」
あたしは思わず声を上げた。
「はは、なんだよ引くって…それに22だろうが何だろうが関係ないだろ?好きでもない奴とじゃんじゃんヤってる奴のほうがおかしいじゃん」
戸田さんは可笑しそうにあたしを見た。
そ、そっか…
なんか戸田さん大人だな〜……
「い、いいの?ヤれなくても…」
あたしはおずおずと戸田さんを見る。
戸田さんは呆れた様に溜め息をつくと、あたしに視線を合わせた。
「あのなぁ、水樹。俺は身体目当てでお前と付き合うつもりなんかこれっぽっちもないの。ただお前が好きだから、一緒に居たいから付き合うの。分かったか?」
「う、うん…分かった……」
あたしは自分のスーツの端を握りながら返した。
「でも……」
戸田さんは言葉を続けた。
「でも?」
あたしは不思議そうに戸田さんを見た。
「キスはいいよな?」
「えっ」
「キスくらいなら許してくれるよな?」
戸田さんはニヤリと笑うとあたしを物陰に引きずり込んだ。