リフレイン
「どうした?なんか、いつもより大人しいじゃん」
「…へっ……?」
戸田さんは、フッと微笑んだ。
そしてあたしを優しい眼差しで見つめると
「いや、いつもの水樹なら“今日どこ行くのっ♪?'とか聞いてきそうだったからさ。(笑)」
「そ、そんなことないよぉっ(笑)」
あたしは冗談で戸田さんの肩をトンッと叩いた。
その瞬間。
いきなり戸田さんに腕を捕まれ、体を引き寄せられて唇を奪われた。
触れるだけの、優しいキス。
「…と……戸田さん…?」
あたしは突然の出来事に目をパチクリさせた。
「今日の水樹、可愛すぎ。」
「へっ?」
戸田さんはあたしから離れるとハンドルにもたれ掛かり、はーっと息を吐いた。
「水樹は自覚が無さすぎる」
「えっ?じ、自覚?」
あたしは思わず聞き返した。