リフレイン
「自分が美人だってもっと自覚しろよ」
「な、何言ってんの戸田さん〜!!冗談よしてよ…」
「冗談じゃねーよ」
「はいっ?」
戸田さんの真剣な表情に思わず何も返すことが出来なかった。
「…水樹……」
戸田さんの綺麗な瞳に言葉を失う。
「絶対、俺から離れるなよ」
戸田さんはそう言うとあたしのおでこに自分のおでこをコツン、とくっつけた。
「……う…うんっ」
顔が近くて恥ずかしかったから俯きながら返した。
「――さて、行きますか!!」
戸田さんは切り替えたようにあたしから離れ、ハンドルを握った。
「う、うんっ!!」
い、いったいなんだったんだろ…今のは……
ま、いいか。
今日は初デートなんだから楽しまないとね♪
あたしはシートベルトを締めた。