リフレイン
「今日どこ行きたい?」
戸田さんはエンジンを掛けながら聞いてきた。
「えっ、決めてないのっ!?」
あたしは思わず声を上げた。
「うん、ごめんなー?」
うそっ!!
あたしてっきり戸田さんがどこか連れていってくれるんだと思ってたから…
「ぷっ」
へっ?
あたしは隣から聞こえた笑い声に反応し、そちらを向いた。
「水樹、おもしれ〜(笑)本気にすんなよ!!何も考えてないわけないだろーが」
戸田さんは面白そうにあたしの頭を撫でた。
なっ…なによ〜〜!!
あたしが恥ずかしいじゃんっ!!
「戸田さんのバカッ!!」
あたしはベーッ!!と舌を出すと戸田さんに背を向けた。
もう知らないっ!!
「みーずきっ。ごめんてば!!ほら、こっち向いて?」
戸田さんは子供をあやすようにあたしを引き寄せ、頭を撫でた。