リフレイン

注文を取り終わった店員は名残惜しそうに戸田さんを見て、去っていった。



「…………」



「水樹?どうした?」



ボーッとするあたしを戸田さんは心配そうに問い掛けた。



「……今の店員さん…戸田さんに見とれてた…」



あたしがか細く言うと戸田さんはフッと微笑んだ。



「んなわけねーだろが。もしそうだったとしても俺には水樹だけだよ」



戸田さんはあたしを真っ直ぐ見つめて言った。



「……うん…ありがと」



あたしは微笑みながら戸田さんを見た。



――しばらくして、料理が運ばれてきた。



「わ〜!!美味しそ〜!!」



あたしは目の前にあるオムライスを見て感激した。



「お、俺のも美味そう」



戸田さんはハンバーグセットを見て言った。



「ん〜♪おいしー♪♪」



「ふっ、かわいーな水樹は」



戸田さんはあたしを見て微笑んだ。



「もっ、もうっ」



あたしは下を向いた。



戸田さんはこーゆうこと何でもハッキリ言い過ぎだよぉ〜!!



あたしは照れ隠しにひたすらオムライスを食べ続けた。



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