リフレイン
「水樹、ケチャップ付いてる」
「えっ」
そう言われて、ナプキンで口を拭おうとしたら…
「――美味いな」
戸田さんはあたしの口元に付いたケチャップを指ですくい取って口に運んだ。
その何気ない仕草に心臓がうるさくなる。
――しばらくして食事を終え、あたし達はレストランを出た。
「あ、戸田さん。あたしちょっとお手洗い行ってくるから待っててくれる?」
「おう。」
あたしは戸田さんにそう告げるとお手洗いへ向かった。
個室に入り、用を済ませ、手を洗ってお手洗いを出て戸田さんの所に向かおうとしたその時。
「――いやっ!!離してっ!!」
後ろから聞こえた甲高い声に思わず振り向いた。
なんだろ?
――そこには。
2人の女の子にしつこくナンパをする3人ほどの男どもがいた。
はぁ〜……
バカじゃないかな。
なんでこーゆうことするバカがいるかなぁ〜。
あたしは仕事上、ほっとけなくて仕方なくそこに向かうことにした。