リフレイン

よし……
やるか。



あたしは美姫が足を打たれた犯人を確保したのを確認した。



桐島ちゃんや司令官はもう1人を確保しようとしている。
やはり、男の子を人質にしている男を確保するのに手こずっているみたいだ。



あたしは犯人に気付かれないように犯人に近付いた。



「うわぁぁん!!ママァ〜!!」



怖くなったのだろうか。
人質の男の子が突然泣き出した。


「うっせぇな、クソガキが!!」



泣き声に苛立ったのか犯人は銃の引き金を引き、銃口を男の子の頭に向けた。



――危ないっ!!



あたしは無我夢中で飛び出した。


――パァン!!



「……う゛っ…」



右腕に激痛を感じる。
見てみると血が大量に出血していた。



くそっ…
撃ちやがったか、アイツ…



「「水樹!!」」



桐島ちゃんと司令官の声が聞こえる。



「お、お姉ちゃん、大丈夫っ!?」



あたしの腕の中にいる男の子が心配そうに問い掛けてきた。



「大丈夫だよ、ちょっとあのお兄ちゃんのところにいてね」



あたしは男の子に優しく告げると、桐島ちゃんに男の子を頼んだ。


「水樹!!大丈夫か!?アイツなら俺がやるからお前は止血を――」



「いいの、桐島ちゃん。腕ならまだ大丈夫だからこの子をお願いね」



あたしはふらつく足をなんとか立たせ、犯人を見構えた。



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