リフレイン

あたしは入院して3日目から、リハビリを開始した。



早く仕事に戻るために、怠けてはいられない。



戸田さんは、仕事が終わってから毎日来てくれた。
美姫達もよく通ってくれた。



それが凄く励みになっていた。



「いつもごめんね」って戸田さんに言うと、ちょっと怒った顔をして「んなこと言ってっと襲うぞ(笑)」なぁ〜んて冗談を言ってくる戸田さん。



辛いリハビリもなんとか耐えることが出来た。



――そして退院の日。



「本当にお世話になりました」



あたしはお世話になった医師や看護師さんに挨拶をして、病室を出た。



右腕はまだ、ギブスがついたまんま。



「水樹、退院おめでとう」



「戸田さんっ!!」



そこには戸田さんの姿が。



「行こうか。車、先乗ってて。荷物後ろに入れとくから」



そう言って戸田さんはあたしの荷物を持ってくれた。



「ありがとう♪助かった♪」



あたしは隣を歩く戸田さんにお礼を言った。



戸田さんは優しく“ふっ'と微笑むとあたしより少し先を歩いた。


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