リフレイン

「い、いいよっ!!なんか悪いし…」


そんなあたしに戸田さんは、フッと笑みを溢した。



「悪いも何もお前、怪我人だろ?どうやって荷物上まで持ってくんだよ!!(笑)これくらい遠慮すんな」



「えっ、だって左手なら無事だし…」



「とにかくこれくらいやらせろよ。いいだろ?」



顔を覗き込まれて思わずドキッとしてしまった。



「あ、ありがと…」



小さな声で言ったあたしに、戸田さんは優しく微笑むと荷物を持ち、マンションの中へ入った。



「水樹、部屋何階?」



「あ、23階っ!!」



エレベーターに乗り込むと、戸田さんはボタンを押してくれた。



「ありがと、戸田さ――…」



お礼を言おうとしたら、いきなり肩を引き寄せられてキスされた。


「んっ……」



いきなりの熱いキスに、あたしは動揺して少し身をよじった。



でも、そんなあたしの抵抗を許さないかの様に戸田さんの手は更に強くあたしを抱き寄せる。



怪我してる右腕に負担が掛からないようにしてくれてるのが凄く分かる。



戸田さん、優しいね。



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