不器用な僕たち
【幼馴染の女子高生と熱愛】
そう書かれた見出しの脇には、わざわざ『未成年』という余計な表現まである。
いちいち書かずとも、女子高生っていえば未成年って分かるだろ。
自分と千亜紀の置かれた状況に混乱してしまい、そんな、ズレたことを一瞬思った。
「これは本当なのか?」
ゲラを眺めていた僕に、社長は確かめるように訊いてきた。
僕は迷いもせずに「事実です」と、頷きながら答えた。
ゲラから目を外すと、社長は隣に立っていた事務所スタッフの斉木さんに何やら目配せをする。
斉木さんは無言でコクリと頷くと、そのまま社長室を出て行った。
「……なんですか?」
斉木さんが何をしようとしているのか。
社長が何を考えているのか。
言いようのない不安に駆られ、僕は顔が引きつるのを感じながら社長に問う。