不器用な僕たち
『関係者』を罵るやつ。
真実なら幸せになってほしいと願うやつ。
話題を摩り替えようと必死になるやつ。
最初にその話を持ち出した『関係者』と、『関係者』のすぐあとに書き込んだファンの一人。
異様なまでに炎上してしまったことにうんざりしたのか、それ以降、二人の書き込みはまったくなかった。
「……マジかよ」
半信半疑になりながら、俺はパソコンの電源を落とす。
ただの噂だろ?
でも、何か繋がるものがある。
確かめるためには兄貴と話をしなければいけない。
そうは思うものの、あの日以来、俺と兄貴の関係はひどく険悪だ。
千亜紀の男関係で散々嫌なことを話し続けた俺に、いまさら兄貴が腹を割って話してくれるんだろうか。