不器用な僕たち
「おまえさ、一度、真剣に兄貴に告白しろよ。おまえのは真剣さがイマイチ伝わらねぇんだよ」
「……そうかな……」
てっきり文句を言い返されると思っていただけに、千亜紀の沈んだ表情に拍子抜けしてしまった。
「私はいつだって本気なんだよ。涼ちゃんが好きで。でもね、子供扱いされると、バカみたいに笑うしかないじゃない?」
「……まぁ、分かるような気はするけど」
「雅人が涼ちゃんだったらいいのに」
「……は?」
真っ直ぐに俺を見る千亜紀に。
不覚にも俺は、ドキドキしてしまって。
「しっかりしろ、俺」って何度も何度も、自分に渇を入れたんだ。
「じゃ、明日学校でね」
「お、おうっ!ちゃんと歯磨いて寝ろよ!」
「ばーっっか!」