不器用な僕たち
再びカーテンで閉ざされた千亜紀の部屋。
さっきまでのドキドキした変な気持ちは次第に落ち着いていく。
なに俺、ドキドキしてんだよ。
あいつなんて、ただのウザイ幼なじみじゃないか。
小さい頃からいつも「涼ちゃん涼ちゃん」で、ストーカーそのものじゃないか。
――……俺。
明日、あいつの顔をまともに見ることができるのかな。
もしも見ることができたら、あいつはやっぱりただの幼なじみで、さっきのドキドキはきっと気のせいだったんだよ。
もしも、もしも見ることができなかったら……。
俺は、もしかしたら、千亜紀を好きなのかもしれない。