不器用な僕たち

驚いた声を上げると同時に、千亜紀の顔は見る見るうちに真っ赤に染まる。


なんだよ、その反応は。

兄貴と千亜紀、いったい何があったんだ?



「…付き合ってるとか?」

「ま、まさか!それは絶対にない!」



俺の目をしっかりと見て、千亜紀は否定する。

千亜紀は正直に告白するときは必ず相手の目をじっと見る癖があって、逆に嘘をつくときは目をキョロキョロさせる。

嘘発見器なんて必要ないくらいに、千亜紀は分かりやすい性格をしていた。



「付き合っていなくても、イイ感じとか?」

「……うーん……、微妙なところ」

「兄貴と何かあったのか?」



そう聞くと、千亜紀は空を見て、何かを思い出している。

気持ち悪いくらいに顔が緩む千亜紀を見て、俺は顔をしかめた。



「おまえ、気持ち悪ぃぞ」

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