不器用な僕たち
――…ドキン…ドキン…
急に胸がドキドキしてくる。
散々、兄貴のことを鈍感だとか言いたい放題だったけれど、やっぱり血が繋がっているから似たもの同士なのか?
俺は…千亜紀を……。
「腹減ったから、メシ食ってくる」
「えっ?もう?早すぎない?」
「また明日な」
「ちょっと、雅人!?」
ピシャリと窓を閉め、そしてカーテンも閉める。
俺、千亜紀を好きなのか?…そうなのか?
いや、まさか。
俺が?千亜紀を?
あやふやだった自分の気持ち。
それは意外にも早く、結論が出た。