秘密のフィアンセ☆
私が助かったのは、どうやら奇跡的だったみたい。


服が水を吸い込んで、どんどん沈んでいく私を、真っ先に助けてくれたのは、佑斗だったと後から聞いた。


そして、この三日間、うわごとで佑斗の名前を呼ぶ私の側を、絶対に離れなかったとも聞いた。


「若旦那・・・。少し休んでくださいよ」


そう言う晴彦の申し出にも、佑斗は首を振る。


顔だけ洗って、すぐに戻って来た佑斗は、また私の側へ来た。


「休んでいいよ。私、もう大丈夫だから」


それでも、佑斗は優しい笑顔で、首を横に振る。


「ここがいいから」


そんな佑斗を見て、お義父さんたちは、気を遣って病室を出て行った。

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