秘密のフィアンセ☆
誰?


声がした方を振り向いても、人影は見えない。


でも、確かに高い女の声がした。


しかも、佑斗と婚約したかったって言ってなかった!?


自然と、声がした方へ歩きかけた時、晴彦に腕を引っ張られ、大きな木の陰へと引きずりこまれた。


「何するのよ、晴彦!」


すると、晴彦は唇のところで指を立てると、静かにするようにと合図をした。


「な、何?」


小声で囁くように言うと、晴彦はジッと先の方を見つめ言った。


「多分、若旦那たちが来ますから」


そう言われて、息を押し殺して隠れていると、本当に佑斗がやって来た。


しかも、キレイな女が一緒だ。

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