秘密のフィアンセ☆
「ああ、佑斗さんの事です。家の中では、若旦那って呼ぶんですよ」


「そうなんだ」


だから、私は“若姐さん“て訳ね。


「若旦那の事、分かってあげてください。あんな風に怖い事もありますが、本当はすごく優しい人なんです」



その顔から、必死な感じが伝わる。


「うん。ありがとう。ちゃんと、分かるようにするから」


笑顔で返すと、安心したように晴彦は頭を下げて戻って行った。


きっと、私には分からない皆の絆があるんだ…。

ちょっと、羨ましいな。

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