秘密のフィアンセ☆
「ええ~?」


晴彦は、困った様に唸る。


「だって、一日くらい、佑斗の事を忘れたいのよ」


頬杖をつきながら、晴彦に文句を言ってみる。


晴彦にしか言えないもんね。


こんな事。


食堂は、だんだんと人が増えはじめ、ざわついてきた。


「あ、あの…。由奈さん…」


晴彦は、何故か戸惑った様に私を見る。


「何よ?佑斗の事を忘れたっていいでしょ?本当に私、息が詰まるの!たまには、違う男の子とだって話したいよ」


「あの…う、後ろ…」


晴彦は、青ざめた顔をしている。


「後ろ?」


ゆっくり振り向くと、そこには佑斗が立っていた。


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