秘密のフィアンセ☆
「お前と佑斗くんの婚約は、お父さん同士が苦楽を共にした時に、勝手に決めた事だったんだ」



父は、ゆっくりと話すが、その顔はこわばっている。


「それがな、どこから知ったか、武地組と一番対立している羽山組に知られてな…」


羽山組!?


智久は、やはりその関係だったんだ。


「うちは地主だろ?お前と佑斗くんの結婚は、武地組の縄張りを広げる事と一緒だったんだ」


何と、ただの親の身勝手な婚約だと思っていたのに、そんな裏話があったなんて…。


「だから、私が狙われているの?」


お父さんは頷くと、私に言った。


「佑斗くんは、全部知っているよ。知っていて、お前には話さないで欲しいと、言われていたんだ」


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