秘密のフィアンセ☆
「佑斗~!」


泣き叫ぶ私を、ちらっとだけ、佑斗が見た。


けれど、すぐに襲いかかられ、佑斗の姿は見えなくなった。


「今日、オレたちの勝ちだな」


私を捕まえている男が、笑いながら言う。


私は顔だけ振り向いて、睨みつけた。


「何でよ」


すると、その男は、乱闘が繰り広げられている様子を見て言った。


「佑斗が本気出してないからだよ。矛先が、あんたに向かないようにしてるんだろ」


佑斗が…?


そんな事を考えているの?



その言葉を聞いて、私は決心をした。


佑斗は、そんなにまでして、私を守ろうとしてくれてるんだ。


だったら、次は私が…。


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