秘密のフィアンセ☆
抵抗を止めると、私を捕まえていた男は、力を緩めた。


今だ!!


思い切り、肘でお腹を突いた。


「いってぇ~」


ひるんだすきに、全力疾走をする。


私がこの闘いを止めるには、これしか方法がない。


「智久さん!逃げられました!」


その声に、乱闘は一気に収まっていった。


逃げる場所なんてない。

私の力じゃ、すぐに捕まえられるのは、分かっている。


それなら…。


私は、港の先まで走って止まった。


「由奈!何するんだ」


佑斗や智久たちが、ゆっくりと近付く。


佑斗たちは、命懸けで私を守ってくれたから、私も…。


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