【完】sweeeet Xmas(短編)
「あ、綾君…好きだよっ!」
これだけじゃ、
この言葉だけじゃ
伝わりきらないかもしれないけど
綾君が伝えてくれたように
少しずつ、少しずつでも
気持ちが届いてくれればいい。
一緒にいられる時間が
少しずつ、
お互いの人生の中に
刻まれていけばいい。
「…こんなに素直な俺、
今日だけだからな?」
分ってんの?
と、優しい笑みを私に向けてくれる。
「…それでもっ!
私は、綾君が大好きだもんっ!」
負けじと笑い返して、
再び綾君に抱きついた。
「…ふぅ~ん。
んじゃ、家来る?
今日親いないけど…?」
綾君はそう言いながら
“フッ”と私の耳に息を吹きかけた。
えっ!?
えっ!?
えええええええ!!???
お、親がいないって…
そういう事っ!?
「あ、あ、あ、綾君っ!?」
ものすごくテンパる私に
綾君は“ハハッ”と笑いながら、
「じょーだんだから」
と優しく、私の手を握った。
甘い、甘いクリスマスへ
いざ突入っ!
【完】sweeeet