子うさぎのお世話
しかも人見知りの激しい雪兎に甘味屋の接客係も向きはしないだろう。
自分に出来るのはせいぜい裏方だよな…と雪兎は頭をひねりながら思った。
その時
「は~い!」
一人の女子が手を上げて棗を見た。
「はい、高遠(タカトウ)さん、どうぞー。」
棗が素早く指名をするとクラスメートの高遠アンナ(タカトウアンナ)が立ち上がった。
クラス内でも目立つ女子グループの中心的な存在で、長い髪を綺麗に巻いた華やかな容姿の女の子だった。
彼女はにこやかに喋り出す。
「えっとぉ~、衣装なんですけどぉ…せっかくだからかわいーメイド服なんかがいいで~す!」
きゃあっと恥ずかしそうに最後に言って、彼女は席につく。
メイド服の意見登場にクラス内がざわめき始める。
い~じゃん!と盛り上がる男子と恥ずかしいよ~と困惑的な女子の声。
一部の女の子は面白そうと乗り気なようだ。
「ん~…確かに売上げの貢献にも繋がりそうだよね。悪くはないかも。」
恥ずかしい以前にしっかり者委員長は目指せ人気店!の為に冷静な意見だ。