子うさぎのお世話
クラスはざわざわとして落ち着かず、なかなか話し合いは進まない。
雪兎もメイド服は若干いやだなぁ…と密かに思っていた。
「やっぱり全員衣装揃えないとさー。一体感て言うかさぁ…」
と言う全員メイド服派と
「でも!そういうの苦手な人だっているでしょ?無理矢理ってどうなの?」
と言う着たい人だけメイド服派にクラスは真っぷたつ。
「…はい!静かにー!意見は色々あるみたいだけど、あたしも無理強いはよくないと思う。
せっかくのお祭りなんだしさ!それで楽しめない人がいるのって本末転倒だと思うのよ。
まずは全員が楽しむ!それが本来の目的じゃない?」
この騒ぎを収めたのはやっぱり頼れる委員長だった。
全員メイド服を押していた生徒達も委員長がそう言うなら確かにそうだ…と案外あっさりと納得してくれた。
棗はなかなかに人望があるのだ。
(なつはやっぱりかっこいい…!)
雪兎は憧れの眼差しで頼もしく美しい棗を見つめた。