子うさぎのお世話
「はい、はい!静かに!!
本人置き去りだよ。…うさ、どう思ってる?」
棗はパンパン!と手を叩き皆を静めると、戸惑う雪兎に優しく声をかけた。
「…わたしは接客出来るほど愛想よくないから、裏方がいいです…。」
思い切って言うと棗はにこりと笑って
「こういうのは向き不向きがあるんだよ。似合ってるから…とかはちょっとね。」
そう、まとめてくれた。
勝手な男子達からは残念そうな声が漏れたが、雪兎はほっと息をついた。
まったく迷惑千万だ。
人見知りの口下手に何を言ってくれちゃうんだと今更ながら、はぁ…とため息をつく。
そんな雪兎を
悪意のこもった目で睨み付ける者がいた。
彼女…高遠アンナは綺麗にマスカラを塗ったキツイ瞳を雪兎に向けると…
「…いい気になんじゃないわよ…。」
普段では考えられない低い声を出した。