子うさぎのお世話
不思議なクラスメート
ひとまず文化祭の話し合いは棗の手腕もあり無事に終わった。
『おぉーー!』
何やらよそのクラスが騒がしい。
文化祭の話し合いがよほど盛り上がっているらしい…
雪兎達のクラスも何だかまた落ち着きがなくなってくる。
「1‐Eみたいだなぁ~?」
それに雪兎がピクリと反応した。
「あぁ、篠崎秋良と藤間時春がいる…」
あの二人はなかなかの有名人だ。
どちらもタイプの違うイケメンで…そんな二人がつるんでいるのだから目立って当然だった。
…秋良が時春につきまとっているというのが正しい見解ではあるけれど…。
まぁそれでも時春も最初ほど邪険にする事はなくなった。
それは雪兎以外には興味の欠片もなかった時春にとって、良い傾向に思えた。
雪兎に棗がいるように…狭すぎた自分達の世界を少し広げられたような感覚がして…。
――――互いがいればそれでいい
そうじゃなくて…みんなが居て、たくさんの人に守られて自分達があるのだから。
大切な人がいくら出来ても時春が雪兎にとって一番なのは一生変わることのない事だから…
だから、
世界が広がることは、何も怖くない。
時春もそれに気付いてくれたらいい…と、雪兎は思った。