子うさぎのお世話
狼さんと甘い弱点
「…アニマルバトラーカフェぇ!?」
お弁当を食べ終えた、昼休みの教室で棗の声が響き渡る。
その大きな声に数人のクラスメートが何事かと振り向いた。
「そっ!どうよ~!秋良くんのアイデアは…!?」
そんなものは気にも止めず、秋良はどこか得意気に棗の顔を伺った。
「男メインでいくわけね…!?
…確かにEは粒ぞろいだわ……!」
棗は心なしかくやしそうに親指の爪をかんでいた。
雪兎は一人考える…。
《バトラーカフェ》はいわゆる執事喫茶だろうけど……。
その前につく《アニマル》はどういう訳なんだろう…?
雪兎がモヤモヤ考えを巡らせていると、秋良がニヤリと笑って雪兎を見た。
「うさたん考えちゃってる?…アニマルバトラーカフェはね、俺達が執事服を着てぇ、さらに動物の耳やしっぽを着けて接客しちゃう訳っ!」
「み…耳にしっぽ……?」
秋良のテンション高い勢いに圧され、そうつぶやいて思わず横でむっつりと不機嫌に黙りこくっている時春に視線をやった。
ハルの頭に耳……?
おしりにしっぽ……?
(み…っ、見たい……っ!!!)
妄想だけで鼻血もんじゃないか………!!